下記は、【日本臨床内科医会インフルエンザ研究班】資料より
1.インフルエンザの症状
突然の発症、38度以上の発熱、上気道炎症状、全身症状(筋肉痛、全身倦怠など)以上四項目全てを満たすこと(厚労省の感染症発生動向調査による症状診断基準)となっていますが、
のように年齢とともに最高体温は下がり、老人の場合、発熱は37℃台のことも多く、必ずしも症状はこの基準どおりではありません。
2.インフルエンザの診断方法
迅速診断キット
2002年画期的検査方法が開発されました。
それは、外来で、15分以内に簡単にできる迅速診断法で、インフルエンザかどうか、同時にA型かB型かが診断可能です。
ただ、この検査方法は、発病初日は確率が60%と悪く、陽性に出ない場合があり、
ウイルス排泄の多い2日目80%、3日目84%と高くなります。
そのため、発病当初は、迅速キット陰性でもインフルエンザが疑われる場合、
翌日にもう一度やってみる必要があります。
なお、流行の最中には先述の臨床症状による診断も確率が高く、
1)突然の発症
2)38℃以上の発熱
3)上気道炎症状
4)全身症状(筋肉痛、全身けん怠感)
以上すべてが揃った場合、早期治療のため特効薬を初日に内服したほうが、早く治ります。
3.インフルエンザの治療
抗インフルエンザ薬
オセルタミビル(タミフル・内服)、ザナミビル(リレンザ・吸入)、アマンタジン(シンメトレル・内服)が保険適応となっています。
A型ではオセルタミビルやザナミビルを内服後30時間ぐらいで解熱しますが、
B型の場合にはオセルタミビルよりザナミビルの方が良く効きます。
これらは遅くても24〜48時間内に内服することになっています。
なお、アマンタジンはここ2年間でインフルエンザウイルスの耐性化がみられ、あまり効果がなくなりました。
また、ウイルスは抗インフルエンザ薬を内服すると、より早く消失しますが 、
解熱してもまだ排泄されていますので 、
家族への感染、職場での感染を防ぐため、
あるいは気管支炎などを長引かせないためにも、
規定どおり合計5日間は服用することが必要です。
4.ウイルス排泄と家族内感染
調査によると、解熱後もウイルスが排泄されていて、
抗ウイルス薬を止めた後も排泄されていました。
そのため、抗ウイルス薬は、解熱後も家庭や職場での感染防止上、
また気管支炎など病状を長引かせないためにも、計5日間の内服が必要です。
なお、家族内感染は、子供が主要な感染源であり、ついで母親が感染源となっていました 。
5.インフルエンザの予防
ワクチンの効果
インフルエンザワクチンは、世界的に広く用いられ、
通常不活化された抗原(ウイルス)が用いられますが、
ワクチンの抗原と、流行株の変異からくる抗原性のずれが発生し、
必ずしも万全ではありません。
そのため、わが国では1994年から、インフルエンザの社会的流行に対する抑止効果が薄いと判断され、児童の公的接種が廃止されました。
しかしながら、老人のインフルエンザ罹患による肺炎などの死亡率が高いため、
2001年から65歳以上の公的接種が開始されました。
予防接種を行うことにより、インフルエンザに罹りにくくし、
罹っても肺炎など重症化を防ぐことを期待しての措置です。
ワクチンの効果は絶対ではありません。
2005年から2006年にかけて、
ワクチンを接種しない人のインフルエンザ罹患率は7%で、接種した人では3%でした。
このうち15歳未満では非接種者の罹患率は18%、接種者では11%でした。
ワクチンは6〜5年前はよく効いていましたが、
4〜3年前と効果が落ち、一昨年は少し持ち直しています。
つまり現在使われているワクチンには予防効果はあるのですが、
それでも罹る場合があるので過信は禁物です。
なお、基礎免疫の少ない13未満では原則2回接種が勧められています。65歳以上は1回接種でもよいようです。
ワクチン接種の副反応
ワクチン接種者の30%ぐらいに注射部位の反応が出るといわれていますが、
一昨季の調査では、被接種者接種8816名中、臨床上問題となった副反応は128名にみられ、出現頻度は1.45%でした。
多かったのは、やはり局所症状としての発赤55名、疼痛28名、腫張24名、かゆみ19名であり、全身症状は発熱12名、倦怠感9名と比較的少なく、ワクチンの安全性は高いといえます。
6.家庭におけるインフルエンザ対策
早期受診
早期に特効薬を内服することより、いち早く治すことが可能。
安静
仕事、宴会、夜更かしなど無理をしないで安静が一番です。
部屋の保温(22℃以上)と湿度60%以上の管理
ウイルスは低温、低湿を好み、乾燥でのどや気道粘膜を傷めないように部屋の湿度を保つ工夫(濡れタオル、植木鉢)をしましょう。
水分、ミネラル、ビタミンの補給
脱水を防ぎ、脳症、肺炎など重症化を防ぐために充分に補給しましょう。
家庭内・職場内感染を防止
飛沫感染を防ぐため、インフルエンザにかかった人はマスクなどをして、くしゃみや咳でほかの人にうつらないように注意して下さい。
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